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2006年1月27日 (金)

King Octavio新作七茎

わだかまり溶けたマリブビーチ 浮かぶ榊莫山とわっぱ飯

チョモランマ中腹で着服した モンブラン修復不可能

蹴あがりに失敗した田中 崖にかけ上がった佐藤 壁穴にカケハギかけた鈴木

しきりに射的シーン撮るディーン・クーンツ  しゃがんで射撃する点指摘するドナルド・キーン

掘ごたつはまる堀辰雄に 飛び乗った多情な原辰徳

十三日の金曜日の次の日の土曜日土用丑の日

マキシシングル『御神籤』聞く鬼子母神のしじま

【解説】三茎から四茎への流れに注目。三茎の停滞感から一転し、猛スピードで新しい景色が開けてくる。King Octavioならではの大胆さが光る佳茎。続く五茎、意外な二人の対比がおもしろい。本調子になってきたようだ。期待したい。(PP)

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2006年1月24日 (火)

King Octavio三連茎

消失した書家の軌跡 歴史的少子化目的

学歴詐称する司書 召集された避暑地

甲州の故郷に咲く草 屈強な桔梗の茎に聞き

【解説】三茎、故郷甲州の桔梗に思いをはせ、我が身を再確認する茎のようだ。だがプロフィールにもあるように、King Octavioの故郷は甲州にはない。むしろ、帰属感の虚を表したものか。(PP)

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2006年1月21日 (土)

King Octavio新作五茎

きき足隠した月9好きな案山子 月賦で最新携帯機種多数入手した証

小雪舐める子猫のママは 木箱の中に丸まる飲ま猫

もげかけたコケモモも 衣紋掛に掛けた羽衣も 閻魔に持たせて燃えかけた竹も

ちらつく雪ちゃかつく馬 力尽きたちゃぼと首に噛み付くキス魔

いささかさんがたまさか稼いだ金が鵲(かささぎ)に掻っさらわれた

【解説】関東地方での大雪を受けての二、四茎。童謡「雪やこんこん」では、犬は喜び駆け回り、猫はコタツで丸くなるが、King Octavioの世界での動物たちの行動もさまざまだ。木箱で丸くなるのは飲ま猫、馬はちゃかつき(興奮し)、キス魔は首に噛み付き、ちゃぼは力尽きている。(PP)

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2006年1月18日 (水)

芥川賞受賞に

 第134回芥川賞は絲山秋子「沖で待つ」に決定した。「小説家はヒマです」(1月18日朝日新聞朝刊)という絲山氏だが、これからしばらくは暇乞いしたいほど忙しくなるだろうなあ、という詠嘆まじりの茎。

 夕べの絲山にいとまなく 甍の並ぶいとをかしき秋の暇乞い(KO)

 賞金の半分は海外で活動している団体に寄付するというコメント(絲山秋子ウェブサイト)が印象的だった。(PP)

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2006年1月16日 (月)

King Octavio新作五茎

高級卵白飲み込み身の潔白訴える夢喰ったバク

屈斜路湖征圧したピサロの斜陽ピザ工場を敵対的買収

秋葉で食べたクサヤの記事に既視感覚えた左官屋

前身ごろメリアス編み 後身ごろの梅も見頃

ニットアウトするバックパッカーの生足 ノックアウトされる日課のパック詰め

【解説】二茎、一見ライブドア強制捜査を受けての作と思わせるが、語の連なりからここは「屈斜路湖と言いたかった」とみるのが妥当だろうか。(PP)

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2006年1月13日 (金)

新春 茎にんにく2006

2006年1月4日13時半より、
デニーズ江古田店にて「新春茎にんにく2006」開催。
King Octavio、Pacific Picinicの2人が5年ぶりに新作を披露し合った。

今回のお題:
・あけましておめでとう、が頭文字の新作創作早口言葉

【King Octavioの作品】
あ)蟻と蟻 リア王とリア王 有り得ない闘い相打ち
け)ケアンズ空港で見かけた抜けかけた欅 昨日抜け駆けした兄貴が賭けた思い
ま)まだまだとあきらめない めちゃめちゃに右手を壊されたマメな男
し)釈迦三尊像の残像を残して去ったシャラポアの愛車おしゃか
て)てふてふの都落ち ミヤコチョウチョウの黄泉がへり
お)オルレアンの親から 高鬼の招待状
め)めくらめっぽうに飛び立った めくるめく旅だった
で)電話に誰も出ぬデニーズに何も言わぬ無言電話男
と)トウバンジャン舐めた掃除当番瀬戸内の窃盗団討伐
う)馬の耳に粘着液 そのまま七分寝て待つ内科医

【Pacific Picnicの作品】
あ)或るアララギ歌わぬダイアリー 川はせせらぎ 雨は降るがまま
け)決定打カモン 画期的九九口ずさむカギっ子の帰還 黒板の過去問かき消せ
ま)間に合うか波間に漂った更沙 砂浜で戸惑う愛弟子のまなざし
し)少年の買った高かった鷹 肩貸した獅子と戦って勝った?
て)撤回しない世界 定型遠のく都会っ子のカカオ革命
お)女は女である おらぶおれとおののく青のおのれ
め)メイクマネー 森の未明の峰でみめ麗しき巫女のメヌエット
で)デニーズ奪回せよ泥寧で微動だにせぬデ・ニーロ デニムでダイブ
と)東京直行 急遽教頭の調教聴講 今日京都直帰
う)海ぶどう生まれる海原の場ならし 奪い奪われるバラナシの習わし

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2006年1月12日 (木)

言いづらさには理解しづらい豊かさがある。

 茎にんにく宣言

 世界は、発音のしやすい言葉や文節ばかりを「洗練」や「美」と捉えすぎるあまり、語と語が新しい状況に出会うときに発する「グルーブ」ならびに「火花」を放棄し、無意識に「言葉の貧しい世界」を構築してしまってはいないだろうか?

「茎にんにく」(POETRY TANGUE TWISTER)は、イタロ・カルヴィーノがこれからの文学に必要な概念としてあげた「軽さ」と「速さ」(『Six memos for the next millennium』)の二つの概念を重用する立場に立ちながら、早口言葉(TANGUE TWISTER)を新しい短詩型文学形式と捉え、早口言葉でしか表現し得ない世界をケート(探索)することで、新しい千年紀の文学の突破口となりうる豊かな言葉の山を築きたいと考える。

 日常のなかで捨て去られている言葉を拾い上げ、「軽さ」と「速さ」を加え、偉大なる化学反応をもたらすことで、平坦な言葉が横溢する世界に、確かな新しい文学への出口を見つけるのだ。

 2006年1月12日 King Octavio

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はじめまして。

 はじめまして、茎にんにく編集部のPacific Picnic(=PP)です。

 これからしばらくのあいだ、私たちの開発したまったく新しい創作早口言葉「茎にんにく」を紹介していきます。

 私たちは早口言葉を、たんに言いにくい言葉遊びと考えるのではなく、短い言葉の連なりのなかに「うた」を響かせ、「現在」をいきいきと映すことのできる短詩型文芸の一つだと位置づけています。

 つっかえながら幾度も口ずさむことで、これまでとは違った景色が開けてくる。そんな早口言葉づくりを、私たちは目指します。

 なお、「生麦生米生卵」や「隣の客はよく柿食う客だ」など、なじみ深い古典的な早口言葉を否定、あるいは軽んじるつもりなどは毛ほどもありません。

 古来よりわが国の文芸には「本歌取り」という、先人の作品をリスペクトしたうえで制作を行う、粋な伝統があります。そうしたクラシックな早口言葉の改作なども、私たちが積極的に行っていきたいことの一つです。

 それでは、創作早口言葉・茎にんにくをお楽しみください。

 2006年1月12日 Pacific Picinic

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