King Octavio新作「祝い茎」
かりん糖の味
識った
使徒コリントの祝詞
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温和なわらわも笑えよな
レトロなベルリラ瑠璃音色
八重山宵山ヨイトマケ
むんずと芽吹いた合歓の木々
はにかむ二人と釜の中
なけなし やむなし ナズナ飯
炊きたて突きたて騒ぎ立て
さっさと砂洲にて傘さして
かくも八雲に柿喰えば
愛も隘路に言わずもがな
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色に流浪の愛飢え男
恋によく効く柿喰けこ
せっせさっさと射しすせそ
とっとたったか断ちつてと
泣くな悩みは何ぬねの
ほむら立つ間に晴ひふへほ
無意味なマイムを真面むめも
やんややんやとやい酔えや
揺れる倫理にララルララ
はじめ二和音三和音
【解説】演劇の発声練習によく使われる北原白秋による詩「五十音」――あめんぼ赤いなあいうえお」――へのオマージュ茎。冒頭、立ち上がるか立ち上がらないかの曖昧な意味性を漂いながら、「無意味なマイムを真面むめも」あたりから波に乗りはじめるのに注目。「やんややんやとやい酔えや」と煽ってみせたうえで、「揺れる倫理にララルララ」とかわすしなやかな余裕は、井上揚水を思わせる。ラストの「はじめ二和音三和音」の響きが結びとは感じられず、尻切れトンボの印象を否めないのは愛嬌か。(PP)
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作家の錯覚で鎖国施策加速 河童の口コミで五穀価格破壊
解説)作家の錯覚と河童の口コミ、どちらが「恣意的な悪」であるかを問う茎。鎖国施策加速と五穀価格破壊を同クラスの問題であると認めた上で、pacificは「作家が幻想ではなく、錯覚に陥ること」がどれだけ罪深いことであるかを訴えている。シリアスな茎。(KO)
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ヤモリ子想い イモリ親想い
溢れるひよこ豆 こぼれるだだちゃ豆
棚からポテト取った途端、屋根からトッポギがポトリ
【解説】一時期シュール・レアリスムに傾倒していたとかいないとかいうKingだが、今回、その影響が垣間見られる茎が並んでいる。初茎、子想いというからには「親」なのだろうし、親想いというからには「子」であるのだろうことが頭では理解できる。だが早口言葉としてこれを口ずさめば、すべてのヤモリは子想いであり、親想い以外のイモリなどいないかのような景色が立ち上がる。二茎、言いにくさよりだだちゃ豆の響きのおもしろさ。ビールが飲みたくなる。三茎、ありふれた日常のなかに突然訪れる奇妙な瞬間。「途端」からいったん「トタン屋根」の連想をしたうえで「トタン」を捨て、力強くひねってトッポギ・ポトリに結び付けた豪胆さはみごと。(PP)
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ラッパー割とたっぱあった 雪駄の河童せっぱつまった 焦ってわっぱ飯オール折半
解説)pacific作品の特徴の一つである、ラップ調が顕著に見られる茎。だらしない河童がラッパーのたっぱをミスジャッジしたあげく、折半をしてしまう慌てぶりが滑稽。折半で済んだのだから、まあ良い方ではないか、と思わせるほのぼの感溢れる作品。(KO)
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チュニック着たチューリッヒのニンフ〜中二の夏〜
【解説】後半のサブタイトルの使い方にKingらしさが出ている。前半の語の連なりによって一度は立ち上がりかけたヨーロッパ的で美しい幻想風景が、幻想などあくまでも幻想にすぎないのだから、ニンフなどに振り回されるのはやめて目を覚ませとでも言いたげに、あっけなく日本的「中二の夏」のなかにかき消されていく。何度か口ずさんであとに残るのは、チューリッヒの語感が呼んだ涼しさのみである。Kingからの暑中見舞い状と考えられる。(PP)
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アキバのマキャベリ不眠不休の布教 酒倉でやさぐれ液キャベ補給中
解説)マキャベリと言えば、言わずと知れたイタリアの政治思想家であるが、現代の秋葉原においては、彼の思想も全く理解されない様子。世界基準のオタク街では、著書「君主論」も単なる近代的散文なのか。後半部分の散文性が、現代のマキャベリズムの反省を印象づける佳茎。(KO)
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風呂に座るフリーのフールのフィール ふるえる古い皮膚に降らせよスワロフスキー
【解説】スワロフスキーに屈折反射する光のイメージを利用して、「お風呂場」を寓話の世界に異化せんと挑戦した意欲作。Pacific作品の特徴である、精巧に仕組まれた「言いづらさ」と、暴力的とも言える「少年性」が随所に見られる佳茎。「スワロフスキー」に魅せられた無職の男が、脳裏に残像っていた幽かな光の力を信じて、日々代謝を繰り返す皮膚に不変の輝きをもたらすよう命じる暴君に道化する刹那がいじらしい。(KO)
※スワロフスキー(Swarovski)は、1895年にオーストリアのチロルに創立されたクリスタルガラス製造会社。ベルサイユ宮殿やオペラ劇場のシャンデリアも手がける。
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猥雑なるチゴイネルワイゼン聞くチボー家の人々
団体戦 団塊の世代の部優勝 代田橋青年団
ヌーブラ付けたヌーの群れ 見つけたカンヌのカヌー乗り
【解説】2茎目、優勝した団体「~青年団」のメンバーは、みな団塊の世代。2007年問題まで間近だが。3茎目、森でヌーの群れに遭遇したカヌー乗りの驚きと喜び。今年の夏はヌーブラと同素材を用いたサンダル「ヌーサン」が流行すると盛んに宣伝されているが、サンダルを履いたヌーが見られる日も遠くないかもしれない。(PP)
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